REMOTE LABO
青年海外協力隊メディア

スポンサーリンク

杉山弘樹④洪水でわかった選手の本気とは?

「見守る力」

すごい。日本では練習メニューをきっちり決めてそれをこなすけど、ブルキナ流にアレンジしたんですね。

あとは、野球を知らない子に野球を教えるときは、最初は一から道具の使い方から教えてた。”これはグローブって言って、左手につけて、ボールはこうやって握って、こうやって投げるんだよ”って。

かなり日本的ですね。

そう、でも、途中からは、道具だけ渡して自由に使わせるようにしていった。

すごい!社会実験みたい!それってどうなるんですか?

日本でもよくある話だけど、初めての人って右利き用のグローブを右手に付けちゃったりするじゃん。ブルキナでも当然それがあって、でも、そこで教えないで見ていると、ある時に左手に付けた方が投げやすいって発見して、わかる奴が出てくるの。

お!すごい。

その子が、うまくボールが取れたりすると、その子が他の子に教えたり、それを見てた子が真似したりして、自然とやり方がわかってくるんだよね。で、それ以降は、俺が教えなくても、知っている子が知らない子に教える流れができるから、俺は教えなくてもよくなっていった。

いろいろ教えるより、なるべく教えないっていうのはかなり難しいですよね。普通、いろいろ言いたくなりますもん。まさに、BRUTUSの取材でも言っていた”見守る力”ですね。

これは協力隊の話ではなくなっちゃうけど、日本の野球ってすごく細かいんだよね。打ち方とか、投げ方とか。だから、正直、日本の野球ってあんまり面白くないんだよね(笑)。でも、一流のメジャー選手って投げ方がすごく変でも速いボールが投げれたりして。だから、ブルキナではそれでいいのかなって思ったりして。

日本のやり方に固執しなかったんですね。特に、大切にしていたことって?

野球を知らない子がどれだけ、関心を持って、飽きずに野球を続けられるかはすごい大切にしていた。だから、選手の反応とかを見て、臨機応変に練習はしていた。それに気づけたことはすごいよかったと思う。

洪水でわかった選手たちの本気

次に、クラブチームの話に移ります。これまでの話は、野球初心者だったり、野球を知らない子に教える活動だったと思いますが、クラブチームは初代から活動が続いていることと、杉さん自身もメインで活動されていたこともあって、これまでの話とは全然違うと思いますが。

クラブチームの練習は、日本の高校野球みたいな練習メニューでやっていたね。

選手は結構、本気でやってますよね。

(クラブチームの)選手たちは、(日本で)”プロ野球選手になりたい”って言い始めたからさ、俺は”無理!”って言ったわけ。だって、高校野球を経験した身から言うと、日本では死に物狂いで練習してる人がいて、でも、ブルキナでは”今日、家の手伝いがあるから休みます”って言う奴もいるから、”お前らふざけんな!”って思って。

なるほど、家の事情とかもありますもんね。

そう、でも、そう思ってたんだけど、”こいつら本気なんだな”って思ったことがあって。

それは?

野球チームでは、道具の担当を決めて、担当になったやつが、ボールとか、バットとか、ヘルメットとかの道具を持って帰って管理させてた。で、ブルキナでは雨季によく洪水が起こるんだけど、洪水の翌日の練習で、ボールを管理している選手が持ってきたボールが明らかに濡れた痕跡があったんだ。

あらら。

で、野球のボールって外側が皮でできてるから、水で濡れると重くなるから、日本では一回濡らすと使わなくなるのね。でも、(道具が貴重な)ブルキナではそういうわけにはいかないから、”お前、これどうしたんだ?”って聞いたら、”雨で濡れちゃいました”って言うから、”お前、野球の道具は大切にしろって言ってるだろ”って言って。で、クラブチームでは初代から、それは言われてたから、周りの選手たちもそいつにいろいろ言って。で、そいつは”ごめんなさい”って言って、すごく反省してたから、それ以上は怒らなかった。で、その翌日に、たまたまそのボールを濡らした選手の家にいたら、洪水が起こったわけですよ。

お、すごいタイミング。

そう、で、家のベットや家具が浸水して、みんなベットの上に避難したくらいの洪水だったの。で、そんな家財道具が浸水している中で、バットとボールが家の一番高いところに置いてあったんだ!

うわ!いいやつですね。

そう、それと同時に、前の日に怒った自分がすごい申し訳なくなって。それこそ、”日本の感覚でやっちゃいけないな”って改めて思ったのと、”こいつらはこいつらなりに本気なんだ”ってわかって。そこから、その、”プロになりたい”って夢を応援しようと思って、俺自身も前より少し本気になったね。

⑤ブルキナ初のプロ野球選手!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする