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石山 俊太郎③生産者グループとの活動

任地での交通手段は何ですか?

歩きと路線バスですね。路線バスと言っても、バンの乗り合いバスです。

具体的な活動を伺いたいのですが、どういった活動をされていたんですか。

(配属先のNGOが)生産者グループという、生産者が集まった集団を各村に作るんですけど、私が赴任する前に出来ていたグループと、私の赴任後に新しく作ったグループの二つに分けて、既存のグループに関しては、そのグループの問題を抽出して改善していく活動を、新しいグループに関しては基本的なグループのセオリーからレクチャーしていくことをしました。団体の数は14〜15程でした。

そちらは全て、バウカウ県のグループですか。

いえ、バウカウ県に限らず全国ですね。

では、バウカウ県のNGOですが、対象は全国だったわけですね。

そうですね、元々フランスのNGOから独立という形でローカルNGOになったので、(運営)資金元がフランス、ドイツのカトリック系団体が主になります。その資金を活動に当てていました。

活動で大変だったことは何でしょうか。

一番大変だと思ったことは、配属先と対象団体の目的を汲み取って、そこをモチベートすることでした。一致している場合はいいんですけど、そこがズレていると大変ですね。

具体的にどんなズレを感じましたか。

対象の団体で、援助をしてもらうことが目的になっているので、「物を売って儲けよう」ということに向いていないんですね。なので、「これをこういう風に売ったらいい物になるんだよ、もっと売れるんだよ」という話をしても響かないんですね。でも、僕たちの目的は、そういう活動で、対象団体が儲かってもらはないと困るので、どういう風に理解してもらって、モチベートしていくかっていうとこは悩みました。

簡単に言葉で置き換えてしまうと「支援慣れ」っていうことですか。

支援慣れですね。悪くいうと不正。不正を悪く思わない風潮がある団体もありました。ただ、物が売れて、お金が儲かるんだってことがわかって、そこがモチベーションになって、「次は何しようか」とか「これはこっちの方がいいんじゃない?」みたいな自発的な考え方や行動に移せる団体もあって、そこはやりがいがありました。そうなると、その団体が注目されるようになって、他の団体が「何であそこはうまく言ったんだ!」って、他の団体を刺激できたことも誇りに思えました。

そのうまくいった方の団体はどのように変わっていったんですか。

売り方とか、管理の仕方を知らなかったということが大きくて、一番伸びたところは、ピーナッツのお菓子を扱っているところです。ピーナッツを卵でコーディングして揚げたものなんですけど、すごく美味しいんですよ、甘くて。

それは、現地ではポピュラーなお菓子ですか。

インドネシアのお菓子で、よく食べますね。コーヒーとかにも合いますし。ただ、それは販売網がほとんどなくて、どうやって売ったらいいかわからない状況で、そこの指導から始めました。はじめの方はぶつかることが多かったんです。僕が飛び込みでいくと、外国人なので、海外に輸出してくれるんじゃないかって現地の人は思うんですね。

なるほど。で、そうするんですか?

「外国人だから、海外で売ってくれよ、儲かるだろ」っていう話から、始まるんです。でも、僕の考え方からすると、”輸出っていうよりも、国内で、なおかつ、外国人がいなくても、自分たちが続けられるマーケットがどこにあるのかってことを見つけて、そこにアプローチして行こうよ”って思ったので。まずは、「身近なところでちゃんと売れてるの?」って話から始めて、その近くで売り始めて。でも、結局商売は信頼が大事なので、「30個持っていくよ」って約束しても、10個しか持ってかなかったこととかもあるので、初めからそういうところは厳しくやってもらって、その団体は信頼を築いていきました。そういう面では徐々に徐々に変化していきましたね。そして、販路を4つのステップに分けたんですけど、私が入った最初の半年くらいはバウカウ県の中でも、その団体のある村の中、その次がバウカウ県の町。で、そこでしっかり売れるようになったら、首都行こうよって。そこでも売れて、国内が制覇できたら初めて、外(海外)だよって話をしていました。なので、まずは自分たちの足元から見直して、最終的には首都まで販路を拡大しました。

活動を通して、現地の人が一番変わったことは何だと思いますか。

物を売って、本当に売れるのかっていうところは信じられないところがあったみたいですね。あとは、原価計算もしていなかったので、その商品を売って、いくら儲けるのか、どこが儲けになるのかっていう根本的なこともわからないことがあったので、そこも一緒にやっていきました。最初は、材料とか経費を引くと、月に1人1.5ドルくらいにしかならなくて。これってビール一本買ったらなくなっちゃうくらいなんですが、最終的には月に30〜40ドルくらいまでいって、そうなると米とかも買えるじゃんってくらいまで行って。そこは、私もみんなもテンション上がりましたね。

それはすごいですね。

村でお金が回るシステムを意識

あとは、結局輸入に頼ってる国なので、インドネシアから輸入するとお菓子とかも安いんですよ。でも、輸入品に頼ってしまうと、お金がインドネシアとか外に出ていってしまうわけで、それって国や村にとっては損失な訳ですよね。なので、結局、お菓子を買うにも、村で作った特産品が売れれば、村でお金が回るので、現地の子供たちのお小遣いを調べて、この値段なら現地の子どもたちも買えるっていう値段設定をしました。なので、村単位や町単位でお金が回るシステムは意識しました。

その考えは素晴らしいですね。その団体がうまくいった要因って何だと思っていますか。

単純に商材がよかったのは挙げられます。ピーナッツって原価が高いんですけど、卵の原価は安いので、そっちでグラムを稼ぎやすいんですよ。なので、ピーナッツでお得感は出しつつ、卵で原価を下げられるものだったので、商材がよかったのはラッキーだったと思います。もちろん、団体も商材選びからするんですが、原価計算ができなかったりするので、美味しいけど原価高いよねとか、採算が合わないことがよくあるんですね。なので、配属先には、そう言った原価計算の段階を教えて、理解してもらうようにはしました。

反対にうまくいかなかった団体を教えてください。

うまくいかなかったのは、そこはクッキーなんですけど、おそらくちゃんとやったらめちゃくちゃ売れるんですよ。ポピュラーですし、原価が安いですし、作るのが簡単で、そこには機材も揃っていたんで。あとクッキーって少ない量でも多く見えたりするので。ちゃんと稼げるんですけど

問題は何ですか。人ですか?

人ですね。そこの三番手以降はすごい真面目なんですが、1、2番がちゃんとした組織を作ろうとしていなくて。ちゃんと給料は払えていないですし、使途不明金も多いので、明らかに空の領収書みたいなものも見つかって。実際にお店行って確認したんですが、本来の値段の2倍くらいの金額が書かれたりしていたので。原価や会計計算をしっかりやると、そういうところも出てくるんですよ。というのは、真面目に働いて儲けるよりも、不正して儲ける方が楽なので、そこに味をしめてしまうんですが、ただそういうことをすると先が長いか短いかっていうことは理解していないので。それは働いたり、売り上げがモチベーションにはならないですし、搾取されているメンバーも不満が溜まって、家に石が投げ込まれるなど村の中での争いが始まるんですよ。

大変ですね。

でも、そこは最終的に僕は解決できなかったんですよ。僕はそこを分裂させて、真面目にやりたい人とは一緒に活動して、やる気のない人たちはいいよという話も出たんですけど、僕のいる間には解決できませんでした。外部組織の不正取締役委員会とかも入ったんですけど、その不正取締役委員会も、間に入った村長さんもどちらかというと丸く収めようという考えで、結局丸く収まっても意味のないことなので、そこの団体は伸ばせなかったですね。

④根本的な考えは一緒

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